空の色や虫の音に秋を感じる頃となりました。
猛暑が過ぎ去った9月は、『今月のワイン』で初めてドイツワインをご紹介いたします!

世界的にワイン産地の最北端、北緯50度付近に位置するドイツワイン。


その魅力は、酸と果実味の絶妙なバランスによる口当たりの良さにあると言われています。
冷涼な気候により果実がゆっくりと熟すため、美しい酸を備えることができ、近年の温暖化により、以前よりしっかりとした果実味を得ることができるようになり、そのバランスの良さで人気が上昇しています!
ドイツワインのイメージは甘口の白ワインが主流でしたが、1980年代以降、若手生産者の台頭や品質を重視する生産者が増えて、辛口ワインが増加し(辛口7対甘口3)、温暖化によって高品質の赤ワインも生産できるようになりました(白6対赤4)。

https://wine-mellow.com/media/2017/05/08/387

今回ご紹介するのは、ドイツ最大のワイン産地、ライン川の南に位置するラインヘッセンの
ぶどう品種は『シュペートブルグンダー』(シュペートは「遅い」、ブルグンダーは「ブルゴーニュ」の意味)=『ピノノワール』100%のナチュールの赤ワインです。


※「ヴァン・ナチュール(自然派ワイン)」とは
ヴァン・ナチュール(自然派ワイン)は、ブドウの栽培方法から、自然の酵母を使用して発酵させる過程、瓶詰めにいたるまで、できるだけ自然に近い形で製造されているワインのことです。


Weingut Mann
PurPur×Calx Spätburgunder プァプァ ×カルクス シュペートブルグンダー 18

アンディ・マンは1990年生まれ。ラインヘッセンの南西、西隣のワイン生産地ナーエとの境界にほど近い人口450人ほどの小さな村エッケルスハイムにワイナリーはあります。

実家はなんと300年前から続く複合農家、ブドウ造りの他に穀物や野菜を作り牧畜業も代々行ってきました。
ワイン造りを中心としたのは彼の父の代からで現在畑は 10haあります。  
この地で生まれ育ったアンディ・マンは幼いころから父の畑仕事、ワイン造りを手伝ってきましたが、10代の若い頃は実際にはワイン造りには興味をもっておらず高校卒業後は兵役の為、9 ヶ月ドイツ陸軍に入隊し、兵役終了後は大学で経営学を学びます。 (注: ドイツは長年徴兵制度があり満18歳以上の男子には兵役義務がありましたが、 2011年7月4日、徴兵制の中止が発表されております。)  
この学生期間、大企業で働くことが人生でやりたいことではないかもしれないと悟ります。同時に友人・知人から彼の実家がワイナリーであること、幼少期にその実家でどのように過ごしたかについて非常に興味をもたれました。
高校卒業後、実家から離れたこの期間に実家、父の仕事、代々続いてきた農業に思いを巡らすようになり、そこから 実家へ帰りワイン造りを志す決心をするのにそう時間はかかりませんでした。  
その後、世界的に高名なガイゼンハイム大学で4年間、みっちりとワイン造りについて学びます。


彼がとてもラッキーだったのは、志が高い友人たちと 出会えたこと。彼らと一つ屋根の下で生活し学び合えた事は彼の人生、ワイン造りの方向性に非常に大きな影響を及ぼします。卒業間近、彼らが住む部屋のワインセラーの中は世界中のナチュラルワインだらけだったそうで、彼はその事実に自分が本当にやりたい道を見た気がしました。
在学中の2015年にも、彼は時間を見つけては実家に戻り勉学とは別で実際にナチュラルワインを作り始めています。彼の1stヴィンテージは この時の2015になります。
そして2017年、ガイゼンハイムを卒業しナチュラルワインだけを作る決心をして実家を引き継ぎます。  
一見クールなナイスガイですが、いや実際本当に朗らかで快活、理知的で優しい、話しをしていて一緒にワインを飲んでそんな印象をもちますが、 『ラインヘッセンの畑のエネルギーをボトルに詰め込み、それを世界中の人に味わってほしいんだ。その為の最初のステップは畑をよく観察し理解すること、その畑の個性を見つけ理解することが重要で、畑と友達になることなんだ。』と土壌や自然への話が始まると、別のHOTな一面が顔を出します。  
どのようにブドウと接すればよいか、全ての必要な対応は、すべては畑が教えてくれるといいます。
ワインを造るうえで最も大事なことは土壌の生物多様性を最大限に活性化させ、緑と微生物に溢れた畑を作ることだといいます。
それこそが、ブドウそのものの個性を真に表現する唯一かつ真っ直ぐな道だといいます。 それこそが、添加物を入れず酸化防止剤の使用を抑えた輝くナチュラルワインを造る唯一の道だといいます。
フランスで本物のナチュラルワインを造る生産者からも同様のお話をよく聞いてきましたが、まだ29歳の若者が畑とワイン造りの真理に真摯に向き合っている姿には感動を覚えます。  
畑の生物多様性や自然な循環は、自分たちの生活を豊かにするヒントでもあり、人間の人生にも当てはまるはずだと、人間も幸せにしてくれるはずだと信じているアンディ・マン。
それら全ては畑が教えてくれたことであり、自分がこれから作るワインでその精神を表現し皆へささやかなHappyを届けたいと語ります。
それこそが彼の原動力であり畑に立つ理由です。
(インポーターコメントより)


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